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川島織物セルコンの取り組み

インテリアの知識を武器に、こだわりの空間を提案する 2019/00/00 株式会社川島織物セルコン 商品開発部 デザイナー/インテリアコーディネーター 篠崎 春佳 さん

川島織物セルコンが
開校した学びの場

KAWASHIMA TEXTILE SCHOOL

~京都で伝統のワザとセンスを学ぶ~

川島テキスタイルスクール(KAWASHIMA TEXTILE SCHOOL、以下、KTS)は、本格的な染・織の「手仕事」を学び、その技術を伝えていくための場として1973年に川島織物セルコンが開校した由緒ある学校です。卒業生は1万人を超え、国内外様々な場所で活躍されているそうです。川島織物セルコンの経営層には入社時にKTSで学んだ経験がある方も。多くの人材を輩出するKTSのあれこれを、斯波代表取締役や、ご自身も卒業生である山本梢恵ディレクターに伺ってみました!

KTSはどこにあるの?

京都の北部、京都市左京区の川島織物セルコン本社市原事業所に隣接しています。山ひとつ越えると京都屈指のパワースポットである鞍馬や貴船があり、織物を作るのに適した綺麗な水源に恵まれた場所です。京都駅から公共交通機関で1時間程度の距離にあるため、古都の歴史・伝統・文化の探訪や鑑賞の機会も豊富です。

どんな環境で学べるの?

校舎は、建築家の内井昭蔵氏により設計され、1975年に第16回BCS賞を受賞した由緒ある建物です。落ち着いた建物の中で、じっくりと制作に向かい合うことが出来ます。また、とても自然豊かなところなので、冬になると親子連れの鹿が校舎近くに姿を見せることもあります。

KTSでは何を学べるの?どんな経験が出来るの?

川島織物セルコンが長年に渡って培ってきた、染色と織物の「手仕事」を、伝統的な技術や文化と共にバランスよく学ぶことが出来ます。インテリア、ファッション、着物からテキスタイルアートまで、多岐に渡ります。

現在は3つのコースがあります。染織デザインの基礎から専門的に学ぶ「専門コース」、ある程度の織経験を持つ方が3ヶ月、6ヶ月、1年の期間にテーマを持って研究と制作を行う「技術研修コース」、手織りの基本を学べる初心者のための講座や1日~数日程度の短期間で学べる「ワークショップ」です。

各コースの詳細は、こちらをご覧ください。

連続したアーチが印象的な校舎2階には多数の織り機が並ぶ

糸を染める工程から経験し、知る

校舎1階教室での実習風景。「手仕事」を学ぶ。

KTSにはどんな先生がいるの?

染色や織物に関する専門家が教鞭をとっており、それぞれの経験を活かして指導に当たっています。専任講師の中には、インテリアコーディネート業務の経験を持ち自身もKTSで学んだ講師や、川島織物セルコンで藤ノ木古墳の復元織物に関わった高度技能をもつ技術者(職人)など、様々なバックグランドをもつ講師陣が活躍しています。織物や染が本当に大好きな人たちばかりで、その「楽しさを伝えたい!」という熱い思いに溢れています。

KTSに入学する人はどんな人?どんな同級生が出来るの?

国内の方に限らず、北欧などの諸外国にも知名度があるため、様々な方が入学されています。一度、社会経験をして、ご自身の興味から織物や染色の知識や技術習得のため入学される方も多く、様々な年代の方が在籍されています。グループ制作を行うため、グループ内のコミュニケーションも活発です。

KTS卒業後の進路は?

近年の就職・進路は、企業、大学・美術館、工房、自身でのアトリエ主宰など、幅広い分野で活動しています。KTS卒業後も、それぞれのテキスタイルを続けてご自身の世界を創造されています。

KTSの専門コースにおける修了制作は何をするのですか?

専門コース・本科を例とすると、一年の総まとめとして個人制作及びグループ制作を行います。グループ制作では、「誰のために、何を作るのか」というコンセプト検討から始まります。近年は保育園や介護施設などの施設を対象に、その施設のイメージに合わせた大きなタペストリーなどを制作して納めています。ある保育園には、園児たちがのびのびと成長できるよう羽ばたいている鳥をモチーフにしたタペストリーを納めました。制作はとても大変ですが、納めたときの先生や園児達の喜びに沸く声、自分たちが織ったテキスタイルがこれからも長く園児達を見守っていくという社会的にも意義のある物を作り上げることができた喜びと、大きな達成感を感じることが出来ました。修了制作は、それぞれのグループの思いを具現化した作品を制作しています。

KTSにはインテリアコーディネーターなどのプロ向けの講座はありますか?

現在は、「専門コース」、「技術研修コース」、「ワークショップ」の形で開設しています。ワークショップは主に一般の方々を対象に開講していますが、今後はプロ向けの講座も新企画として検討したいと思っています。こんな講座を受けてみたい、期間がこのくらいだと受けやすいといった、皆様の声をぜひお聞かせいただければと思います。

インテリアコーディネーターがKTSで学ぶ意義は何ですか?

インテリアコーディネート業務に携わった後にKTSで学んだ方がいらっしゃいます。お客様にテキスタイルを説明する場合、以前は各メーカーから提供される情報が中心で、色々なメーカーの製品をみても、どうしてこれほど価格が異なるのか、素材や作りはどこが違うのかまでは把握できなかったそうです。KTSで糸の一本一本の成り立ち、織りの細かな技術を学び、実際に制作の経験を積んだことで、製品の違いを見分ける眼が養われたとのことでした。
以前は機能や価格面を中心とした説明に留まっていたのが、KTSで学んだことで、糸の違い、織りの違い、そこから生まれる風合いの違いなど、理論的にも感覚的にも深い部分まで理解した話が出来るようになったそうです。インテリアコーディネートの提案を行っていくうえで、製品見本やカタログだけでは身につける事が難しい「本質的な違い」を見極める力を身につけられれば、インテリアコーディネーターとしても大きな強みになっていくのではないでしょうか。

KTSのこれからを教えて?

KTSは1973年の設立以来、手織りの技術と表現力を活かせる場を持ち続けられるように、独自の教育を続けてきました。人間が心を動かされる本質を備えた「手仕事の良さ」を学ぶ大人のための学校です。これまで数多くの修了生を送り出し、今では国内外でも高い評価をいただけるようになりました。これまで積み重ねてきた取組みは今後も受け継いでいくとともに、これからのテキスタイル業界の未来も見据えた取組みも考えていきたいと思います。

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