IC・KS『ほんとの話』

「資格+スキル・知識」で空間をデザイン 2019/03/28

住宅やオフィス、商業施設などさまざまなシーンの空間をデザインする、三井デザインテック株式会社。
リビングデザイン事業部では、主に新築マンションのインテリアコーディネートなどを行うため数多くの
インテリアコーディネーター(以下、IC)が活躍しています。また、インテリアコーディネートサロン
「LIVE LABO」では、国内外メーカーの商品サンプルやカタログを豊富に揃え、ICのアテンドと
共に理想のライフスタイルに合わせた提案が受けられます。現在活躍中のIC3名に資格取得の
動機などを伺いました。また、リビングデザイン事業部の田中部長に、ICの働き方や求められる
役割などについて伺いました。(ライター談)

ICの仕事について教えてください

古川 梓 さん

インテリアコーディネーター

分譲マンションに入居されるお客様を対象に、インテリアコーディネートのご提案やインテリア商品の販売を行っています。元々は事務職として入社したのですが、「ICになりたい」という気持ちが強くなり資格の勉強を始めました。IC資格取得後に独立し、現在は三井デザインテックから業務委託を受けてICとして働いています。
ICとして働き始めてまず実感したのは、ICは「お客様とのコミュニケーションなしでは成り立たない仕事」ということです。実は私は人と接することがあまり得意ではなかったのですが、お客様からの喜びの声や、信頼関係が築けたときの嬉しさが、何よりやりがいになっています。マンションは戸建てに比べデコレーションへのご要望が強く、最近では間取りなどをカスタムメイドしたいというご希望も多いです。お客様の満足度をより高められるよう、今後もスキルアップを重ねていきたいです。

IC資格を取得した動機、役に立ったことを教えてください

福嶋 友紀子 さん

インテリアコーディネーター

元々インテリアが好きで、大学時代は夜間のインテリアのスクールに通っていました。その頃から「将来ICとして働きたい」と考え、社会人になってから資格を取得しました。現在は新築マンションのほか、モデルルームやオフィスのインテリアコーディネートにも携わっています。資格の勉強を通じて身につけたインテリアの基礎や用語、家具の歴史背景などの知識が、仕事にとても役立っています。
分譲マンションの場合はお客様のご希望をしっかりと汲み取ることが大切。一方、モデルルームでは個性よりも多くの方に良いと思ってもらえる工夫が必要です。普段からインテリアのショールームをはじめ、ファッションなど他分野にもアンテナを張り、自分の引き出しを増やすようにしています。今後はプレゼン技術や、デジタル化に対応できるスキルなども磨いていきたいと思います。

金澤 瑶子 さん

リビングデザイン事業部 リテール営業グループ

新築マンションを購入され、インテリア相談を希望されるお客様に、ICの紹介や商品納品までの手配を行っています。入社後しばらくは事務職として働いていたのですが、インテリアの知識不足を感じる場面が多く、元々興味のあったIC資格の勉強を始めました。資格取得後、「お客様と直接関わる仕事がしたい」との思いから営業への異動を希望し、現在に至ります。
IC資格を取ったことで知識は広がりましたが、それはあくまでスタート地点。大切なのは、資格取得後に何をするかだと思います。幸い当社には多くのICが在籍されているので、それぞれの経験やアプローチ方法など積極的に話を聞き、学びを深めるようにしています。私のように直接インテリアコーディネートに携わらない立場であっても、インテリアが好きな人なら、IC資格に挑戦することはきっと自信につながると思います。

三井デザインテックとインテリアコーディネーターについて伺いました

Chapter.1 新築マンションを中心に、ワンストップのインテリアサービスを提供

三井デザインテック株式会社
リビングデザイン事業部

田中部長

貴社の特徴を教えてください
三井不動産グループの一員として、暮らし、癒やし、ビジネス環境など、さまざまな空間デザインを行っています。その中で私たちリビングデザイン事業部が手掛けるのは、主に新築マンションやモデルルームです。マンションを購入されたお客様に対しては、インテリアオプションという形で、ICがニーズに合わせたコーディネートをご提案します。あらかじめ物件の情報を把握した上で的確なご提案を行い、家具の手配から納品までワンストップのサービスを提供できるため、お引越しの手続きなどで何かと忙しいお客様にも大変好評です。
ICも多く在籍されているのですね
現在は全国で約280名のICが在籍しています。基本的には業務委託契約となり、若い方からキャリアのある方、子育て中の方などさまざまです。とてもフラットな雰囲気で、IC同士のコミュニケーションや情報交換も活発に行われています。業務委託なので自分の裁量で仕事をコントロールできるところも、働きやすさにつながっているようです。個人で活動されているICの場合は収入が不安定になりやすいデメリットがありますが、当社のように企業の中で働く場合は、ある程度安定した仕事ができるのではないかと思います。

Chapter02 スキルアップのためさまざまなサポートを実

ICに期待することとは?
常に新しい情報に敏感であってほしいと思います。最近ではお客様もインテリアに関する情報を多くお持ちで、ICへのニーズも「インテリアのことを教えてほしい」から「情報が多くて迷うので整理してほしい」へと変化しています。当社で働くICも、「ホテルのような部屋に」というニーズのため実際に話題のホテルに泊まりに行くなど、さまざまな努力をしています。
一方で、たとえ資格が仕事に直結しなくても、趣味が充実したり、自分の自信につながったりすれば、それはとても意義のあることだと思います。インテリアとは本来楽しむもの。インテリアが好きな方なら、勉強をすること自体が楽しめるのではないでしょうか。
スタッフのスキルアップのためのサポートはありますか?
社員の場合、ICや建築士など所定の資格取得に対して費用面での補助を行っています。「この資格に挑戦する」と先に宣言して実際に合格すれば、補助がプラスされる“チャレンジ宣言”システムもあります。
また、業務委託であるICの方々にもさまざまなサポートを行っています。とくに接客スキルや商品知識などは、机上の勉強だけではなかなか身につけることができません。メーカー各社による新作の発表会などは積極的に案内していますし、メーカー企業を招いて独自の勉強会を開催することもあります。また、接客に関する実務的な研修も行っています。

Chapter03 お客様が求める価値を提供するのがICの役割

仕事をする上で求められるIC像とは?
ICに対して、アーティスティックで華やかなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし仕事としてインテリアコーディネートに携わるなら、ICとはいわば接客業だと思います。インテリアには万人に共通する正解はありません。では何が正解かと言えば、お客様が求めるもの、満足していただけるものだといえるでしょう。たとえば、ほしい家具があるけれど躊躇しているというお客様がいらっしゃったら、そのメリットやデメリットをきちんと説明し、希望を叶えるために背中を押して差し上げるのがICの役割だと思います。インテリア全般の知識を持った上で、お客様とのコミュニケーションを楽しみ、お客様の喜びを自分のやりがいとできるかどうかが非常に大切だと思います。
今後の展望についてお聞かせください
住宅、オフィス、ホテル、商業施設など、インテリアデザインの境界線は徐々になくなりつつあります。当社にはマンション以外にもさまざまな領域のインテリアコーディネートを手掛ける部署があり、「クロスオーバーデザイン」をコンセプトに、お互いが連携して新しい空間デザインを生み出しています。インテリアに関するニーズはこれからも変化していくでしょう。「今何が求められているか」を常に敏感にキャッチしながら、柔軟な提案でお客様に新しい価値を提供していきたいと思います。

プロフィール

田中 清寿 さん

三井デザインテック株式会社
リビングデザイン事業部 部長

好きな家具は北欧デザインの名品「Yチェア」

企業ご紹介

三井デザインテック株式会社

1980年設立。89年に現社名へ商号変更。従業員約410人。住宅・オフィス・ホテル・商業施設など幅広い分野のデザイン・設計・施工を手がけ実績多数。マンションのモデルルームのインテリアデザインやインテリア商品販売にも力を入れている。2016年には欧州で開催の国際ホテルデザインコンペティションにてアジア企業として初の審査員特別賞を受賞。異なる分野の空間デザインのノウハウを組み合わせて新たなデザインを生み出す「クロスオーバーデザイン」が当社の強みである。

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