IC・KS『ほんとの話』



住宅、店舗、施設など、あかりで快適な空間をつくり出すコイズミ照明。東京ショールーム
「OBAL」では、空間を演出するさまざまな照明器具のほかライティングプランの
シミュレーションを行うこともでき、一般の方から住宅・インテリアの専門家まで多くの人が訪れています。インタビュー中も和やかな雰囲気が流れ、風通しの良い社風をうかがい
知ることができました。あかりとインテリアの関わりや、インテリアコーディネーター
(以下、IC)に期待することなどについて、首都圏営業本部の上原本部長にお話を
伺いました。(ライター談)


- ―コイズミ照明の特徴を教えてください
- 私たち小泉産業グループは今年(2018年)で創業301周年。その長い歴史の中で変わらないのが「人を大切にする」という思いです。「人格の育成向上」という社是のとおり、人を大事にする、人に優しい会社であることは私たちの自慢です。コイズミグループ各社が、それぞれの事業領域でプロフェッショナリズムを発揮し、お客様満足と社会への貢献をめざしています。
ものづくりで大切にしているのは、世の中に新しい価値を提供する独自の発想・着眼点です。たとえば既存のものを組み合わせ、それまで気づかれていなかった利便性や快適さを生み出す―それが、私たちが受け継いできた「ものづくりのDNA」です。照明器具においてもライフスタイルの変化に合わせ、さまざまなシチュエーションに対応する「あかり」のご提案をしてきました。
- ―暮らしの中で「あかり」の役割とは?
- あかりの基本は太陽の光です。人の体にはサーカディアンリズム(体内時計)というものがあり、光の状態によって1日のリズムを調整しています。それを照明でうまく再現することで、人の心理や行動に影響を与えることができます。たとえば、低い位置のオレンジ色の光は穏やかでくつろいだ気分にさせてくれますし、勉強に集中したい場合は白っぽい光が良いといわれています。研究開発を通じて得られた知見も踏まえ、住宅でも店舗でも、常に目的に合ったあかりの環境を考えながらのご提案に努めています。
- ―照明とインテリアの関わりとは?
- 照明は、空間の中に単独で存在するものではありません。そこには必ず床や壁、天井、カーテン、家具など、さまざまなものがあります。照明メーカーだから照明のことだけ知っていれば良いという訳ではなく、壁材や床材をはじめとした素材を知って、初めて照明を語ることができるのです。東京ショールーム「OBAL」では、照明の違いで壁やカーテンなどがどのように見えるかを比較検証できるラボがあり、光の色や強さ、位置によって、空間のイメージが全く変わることを体感していただけます。


- ―インテリア全般の知識が必要とされそうですね
- 私たちがあかりのご提案をさせていただくのは、住宅関連企業や外部のICなど、インテリアに深く携わっている方々です。ですから、こちらもインテリア全般の知識がなければお話ができません。当社ではIC資格を持つスタッフも多く活躍しており、推奨資格として受験料の補助も行っています。ICのほかキッチンスペシャリスト(KS)資格を持つ社員も多く在籍しています。いずれにしても仕事をする上でインテリアの勉強は必須です。ICやKS資格保有は、採用時のポイントの一つになるでしょう。一方で、活躍できるためには、お客様への提案力や折衝力、何よりも「あの人に会いたい」と思ってもらえる人間的魅力が必要です。資格を得た人は、それだけに留まらず、より大きく成長して欲しいと思います。


- ―ご自身もIC資格をお持ちだとか
- 私がICの資格を取得したのは30年ほど前です。当時所属していた部署で「みんなでIC資格を取ろう」と、通信教育で勉強しました。試験の申込みに関して協会に電話をかけたら、たまたま当時の会長が親身に対応してくださり驚いたことをよく憶えています。30年も前の話ですが、今だったら考えられないエピソードでしょうね。
ICの資格を取ってからは、お客様により安心感を持っていただけるようになったと思います。各メーカーや一般ユーザーの方に対しても、それまで以上に説得力をもってお話できるようになりました。
- ―ICを保有する社員に期待することとは?
- 私はよく社員に「現地に行きなさい」という話をします。自分が提案したものがどのような空間になり、そこにどんな暮らしがあるか。それは実際に見ないと分からないからです。とくに住宅の場合、担当者にとっては数多くある仕事の一つだとしても、お客様にとっては一生に一度の大きな買い物です。これからの生活の期待は大きなものです。その重みや責任感を、常に忘れないでほしいと思います。
ICとして活躍できるのは、人と接することが好きで、相手を尊敬できる人だと感じます。お客様が本当に求める「ワンストップソリューション」を実現するためには「照明だけを知っている」ではダメなのです。知見や人脈をどんどん広げ、自身のスキルアップを目指していってほしいですね。


プロフィール
上原 正人 さん
コイズミ照明株式会社
取締役 首都圏営業本部長
コイズミ照明で活躍するICの皆さんに資格取得のきっかけ、仕事の魅力を伺いました。


塩見 知子 さん
首都圏営業本部 南関東営業部 横浜住宅開発室 室長
「一生続けられる仕事は何だろう?」と友人と話していた時に、IC資格と、好きだったインテリアが仕事になる業界があることを知りました。はじめは資格を取ってハウスメーカーのICになり、その後に独り立ちしようと漠然と考えていましたが、勉強のために通ったアカデミーで「得意分野のエレメントをもった方が強みになる」とアドバイスされたことがきっかけで、将来性や、難しいからこその奥深さを感じる照明を強みとすることを選び、資格取得後にコイズミ照明に入社しました。
現在は、主にハウスメーカーのICや設計の方に向けて、照明の提案営業を行っています。光の広がりや見え方は、床や壁、天井など内装によって、本当に大きく変わります。ICの勉強を通して身についた寸法の感覚は、図面から空間を立体でイメージする力として、仕事にとても役立ちました。
経験を積めば積むほど提案の幅が広がっていくのがこの仕事の魅力。白熱電球から蛍光灯、そしてLEDと、照明器具の技術は日進月歩で進んでいます。より良い提案を生み出していくことに加えて、長くこの仕事を続けてきたからこそ持ち得た知識を後輩達に伝えていくことも、今後の自分の役割だと感じています。


榮藤 正徳 さん
首都圏営業本部 首都圏住宅営業部
広域住宅開発室 室長
大手ハウスメーカーを対象とした営業を担当しています。ICの資格を取ったのは今から24年前。担当していた地域のお客様ともっと信頼関係を築くために、インテリアの勉強をしようと考えたことがきっかけです。通信講座を利用しましたが、未経験分野については周りの人に教えてもらうこともありました。資格を取得することで、それまではあまり知らなかった内装材や建物の構造などについての知識が広がり、お客様とお話する際にも、インテリア全般を考えた深い提案ができるようになったと感じています。
現在はHEMS(ヘムス)と呼ばれる家庭で使うエネルギーを無駄なく活用するための管理制御システムについて、他社と共同プロジェクトで取り組んでいます。空間における照明の役割は、今後ますます多様化していき、空間演出が今まで以上になるはずです。私たちは照明メーカーですから、照明に詳しいのは当たり前。それだけではお客様のニーズにしっかりと応えることはできません。社員の中にもインテリアの勉強をしている人は多いですが、いろいろな人に会ったり、各種イベントに参加するなどして、積極的に生きた情報を吸収し、照明の可能性を広げていって欲しいと思います。


伊藤 恵 さん
市場開発営業本部 LCR LCR東京 第1設計室
インテリアが好きで、中学生の頃から「将来はICになりたい」と思っていました。資格を取得したのは大学3年生のときです。インテリア業界への就職を目指す上で、実践的な知識を身につけたいと考え、夏休みを利用して勉強しました。
コイズミ照明に入社したのは、内装に一番大きな影響を与えるのは照明だと思ったからです。学生のときはICに対して「家具を並べたり内装の色を選んだりする仕事」というイメージしかありませんでした。でも実際に仕事をする中で、その空間で過ごす人の視線や動線など、もっと広い視野でコーディネートすることが必要なのだと実感しました。現在私は店舗など商業空間の照明の設計をしていますが、照明の選び方一つで店内の雰囲気は全く変わります。自分の設計した照明や提案が形になり、お店を訪れるたくさんの人の目に触れる、そんな場面にいつも出会える照明の仕事は、とてもやりがいのある仕事です。
※伊藤恵さんは、大学在学中、当協会主催の「平成26年度キッチン空間アイデアコンテスト」に応募され、最優秀賞である「インテリア産業協会会長賞」を受賞されました。伊藤さんの入賞作品はこちらで閲覧できます。


企業ご紹介
コイズミ照明株式会社
1871年創業。照明器具の企画、開発、製造、販売を事業とする。「人」「光」「物」「空間」の関係性・バランスを的確に把握し、各々の特性を活かしながら、快適で魅力に溢れた【光環境】をご提案しています。