The 44rd japantex2025
WindowsParadise

日本最大級のインテリア国際見本市『JAPANTEX2025』が、今年も多くの来場者を迎えて開催されました。当協会は昨年に引き続き、一般社団法人日本インテリア協会との共催により、企画展示『Windows Paradise 2025』を出展。インテリアコーディネーターと窓装飾プランナー、二つのライセンスを併せ持つプロフェッショナル「MADOWTSUKAI」たちが、窓装飾を起点に、空間と暮らしに寄り添う多彩な提案を行いました。会場では、「Windows Story ~窓から始まる物語~」と「その楽園(シェアハウス)で暮らす人たちの物語」というゾーンを展開。素材やデザインの背景にある想いを丁寧にすくい上げ、空間全体で世界観を体感できる展示構成としました。
また、展示にあわせて実施したガイドツアーでは、各作品に込められた考え方や窓装飾の工夫を紹介。専門家はもちろん、一般来場者にも分かりやすく、窓装飾の奥行きと可能性を感じてもらえる機会となりました。

windowStory

Window Story~窓から始まる物語~ Window Story~窓から始まる物語~

デザインの背景をくみ取り、その物語を“装う”──。今年の「Windows Story」ゾーンでは、デザイナーの想いや生まれ育った土地、自然へのまなざしといった“背景”に焦点を当て、窓装飾を空間表現として立体的に捉える試みが行われました。さまざまな素材や色彩、縫製技法の組み合わせによって、無限の表現が可能な窓装飾。「背景を知ることで、窓装飾はもっと楽しくなる」ことを体感してもらう構成が、来場者の注目を集めました。

デザインの背景をくみ取り、その物語を装う。

今年のテーマは「デザインの背景をくみ取って、その物語を装う!」。デジタルプリント技法を用いた象徴的なストリングスカーテンを設置した中央ゲートを境に、左右でまったく異なる表情の空間を展開しました。

左側には、イギリスを代表する王室御用達ブランド「SANDERSON(サンダーソン)」の世界観を表現。1860年にロンドンで創設され、英国の牧歌的な風景を思わせるデザインで知られるこのブランドから、朝靄の中に浮かび上がるような落ち着いた色合いのファブリックを選定しました。多様な植物や人、動物が描かれた壁紙をベースに、縦のボーダー刺繍を活かしたカーテンや、ダイヤモンドプリーツによる無地生地の表情づくり、シアーを重ねた柔らかな光の演出など、縫製技術を用いて世界観を丁寧に構築。全体のプロポーションにも配慮し、二段箱ひだによって品のある佇まいを完成させています。

右側には、ポルトガル・ポルトに本社を構えるファブリックブランド「ALDECO(アルデコ)」を起用。クリエイティブ・ディレクターの幼少期の記憶に深く刻まれたドウロ渓谷(世界遺産)の風景、渓谷の岩肌や段々畑、ワイン畑の情景をモチーフにした素材をもとに、明るく力強いデザインとして表現しました。縫製においては、ハトメピッチをあえて不均等に配置する工夫や、ワイン畑に着想を得たゴブレット形の吊元、白い麻布をワインで染めたクロスなど、随所に背景への敬意を感じさせる設えが施されています。ALDECOのデザイナーへのメッセージを来場者が残せるコーナーも設け、作り手と受け手の接点も構えました。

中央ゲートを抜けた先では、環境に配慮した素材を用いたカーテンも紹介。これからの窓装飾において重要性を増していく視点にも触れる構成としています。

これまでの歩みを紹介する
パネル展示も

窓装飾の魅力と可能性を伝える取り組みとして、JAPANTEXの場で毎年表現を重ねてきた「Windows Paradise」。会場では、2017年のスタートから現在に至るまでの歩みを振り返るパネル展示も行われました。そこには、「情報や知識が簡単に手に入る時代だからこそ、何を心地よいと感じ、どのような暮らしに幸せを見出すか、そんな自身の感覚を大切にしてほしい」という、今回の展示にも通底するメッセージが込められています。

その楽園(シェアハウス)で暮らす人たちの物語

デザインやものづくりに携わる人たちが、穏やかにつながり、影響し合いながら暮らすシェアハウス──。今年は2名の「MADOWTSUKAI」が、それぞれの価値観や感性をもとに、日々の営みが立ち上がるような住まいの物語を描きました。暮らす人の息づかいや時間の流れが感じられる空間が、来場者の共感を集めました。

自然と手仕事が響き合う、穏やかな暮らし

海辺のシェアハウスで暮らす、フリーランスの窓装飾プランナーを想定。「真摯にものづくりに取り組む方々に光が当たってほしい」という想いのもと、職人によるものづくりと自然のリズムを感じる暮らしをテーマに、御簾や帳といった日本の伝統的な空間づくりの思想を取り入れ、ファブリックでゆるやかに空間を仕切る設えなどを採用しています。掃き出し窓には、シアーを重ねたグラデーション表現を施し、テグスを用いた工夫やスモッキングといった縫製技法によって、波や泡のような繊細なリズムを演出。アバカ織の生地を用いたスクリーンやランプシェード、無垢材家具、和紙のアクセントパネルなど、素材の背景や持続性にも目を向けながら、海や山を愛する自分自身のライフスタイルを投影した心地よい空間を紡ぎ出しました。

飯島 千帆(爽籟│SO-RAI)飯島 千帆MADOWTSUKAI 飯島 千帆(爽籟│SO-RAI)飯島 千帆MADOWTSUKAI

好きな色と暮らす幸せ

カラーコーディネーターとして働く女性の暮らしをイメージし、“好きな色”がもたらす心の高揚や安らぎをテーマに構成。ロンドンのホテル滞在で受けた、色彩豊かな空間からの刺激を原点に、ターコイズブルーを軸とした自由な色の組み合わせを提案しました。手作りのファブリックパネルによるヘッドボード、ロールアップやシェード、ウッドブラインドを組み合わせた腰窓、異なるレースを重ねたフリルカーテンなど、窓ごとに表情を変えながら、住まい全体にリズムを生み出しています。「自分が良いと思ったものを、自由に選び、暮らしに取り入れ、長く使い続けてほしい」と語り、色を恐れず楽しむこと、良質なものを使い続けること。そんなメッセージを、暮らしの風景として伝える展示となりました。

岸 智子(Nature blanc ナチュールブラン)MADOWTSUKAI 岸 智子(Nature blanc ナチュールブラン)MADOWTSUKAI

窓装飾は、空間を整えるだけでなく、暮らしの価値観や物語を映し出す存在。「MADOWTSUKAI」たちは、豊富な知識と技術、そして一人ひとりの感性をもって、住まう人の幸せに寄り添う提案を行っています。今年の「Windows Paradise 2025」では、素材やデザインの背景にある想いに目を向け、空間全体で感じ取れる展示を通じて、窓装飾の新たな魅力を提示しました。ここで交わされた発想や気づきが、次なる提案や、新たな「MADOWTSUKAI」へとつながっていくことを期待しています。

ページトップへ