5回目を迎えたキッチン空間アイデアコンテストは、現代社会を背景に生じつつある問題に対する提案が多くみられ、これらのキーワードとして「つながり」「オープン」「シェア」などが挙げられる。具体的には、これまでの調理・食事のキッチン空間を社会へとつなげていく提案や、従来の調理・食事を個や家族に対応する空間からオープンにして共有やシェアする場としての提案、そして調理・食事空間から多くの人々とのつながりを意識した共同の場としての提案など、応募をされた若い人々がこれからのキッチン空間を進化させていこうとする意欲とその方向性が応募作品から読み取れた。将来のキッチン空間に期待できるコンテストであった。
（上野 義雪　千葉工業大学教授）