亀井寿子さん

「私を選んでくれたお客様の気持ちを決して裏切らない」ための仕事の仕方を常に考えています。

大学のラウンジのコンペに参加したところ5フロアーのうちの3フロアーをやらせていただけることになりました。その中の1フロアーは、未来の壁というコンクリートとステンレスのオブジェを創りました。 コンクリートが朽ち果てて未来を象徴するステンレスが現れるというコンセプトでしたが、コンクリートが朽ち果てた感じが、私が提出したパースのようにしあがらず、竣工日3日前にして大学側の担当者にあなたが提出したパース通りに仕上げなさいと一喝されました。施工担当者には、お手上げといわれましたが、自分でコンクリートを削り2日間かかり最後の日は朝5時までコンクリートを叩き続け、その結果担当者からご満足頂き、さらにオブジェに名前まで貼らせていただきました。
この時の体験から、「私を選んでくれたお客様の気持ちを決して裏切らない」ための仕事の仕方を常に考えるようになりました。それは、自分の思い描いた空間をどう人に伝え、どう施工者に伝え、間違いなく完成させるか、簡単なようでオリジナルで有ればある程難しいですし、関る人間が多ければ多いほど大変ですが、今のインテリアデザインの仕事の基礎になっています。

実例写真

オブジェ、コンクリートの叩きとサイン

オブジェ、コンクリートの叩きとサイン

ある時和風住宅を得意としている会社から、輸入住宅風の家を作りたいので手伝ってほしいとお声をかけていただきました。お客様にインタビューしてみると希望している内容と予算が合わないこと、それが施工会社に伝わっていなかったことが分かりました。
また、ご主人と奥さまが喧嘩続行中での打合せだったこと、御夫婦でお好みが全く違っていたこなど問題が山積みでのスタートでした。ご提案内容は気に入ってくださいましたがご予算との調整はとても大変で、何回も打合せを重ね、代替え案などをご提案しながら施工店とお客様の間にたちながら、ご納得いただきました。
そして何より報われたのはご夫婦別々の打合せが続く中、お互いに望むことを、インテリアを通じてまとめあげることで、徐々にご夫婦仲が良くなり、住いが完成するころにはとても仲良くなられたことでした。完成後は二人の会話も増えたそうです。

実例写真

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洋と和の融合で、新しい形・独自のデザインをどう表現していくかが、今後の大きなテーマです。

海外のセレブインテリアデザイナーに対しては、とても憧れています。
尊敬している人は英国LONDONで活躍しているインテリアデザイナーの澤山乃莉子さんです。インテリア空間はもちろんプロダクトデザインも手掛けていて、独自のスタイルを確立していらっしゃいます。2009年に彼女のデザインした蓮夕という家具及びショールームを見たときに衝撃を受けました。その空間は、洋と和を融合させて独自のZENスタイルを作り上げていて日本人であるというアイデンティティがそこにはあらわれていました。

LONDONでは、彼女のスタイルを指示するクライアントが後を絶ちません。私も、私自身を指名していただけるインテリアデザイナーになりたいと思いました。22年のさまざまな経験を生かして固定観念に縛られず、お客様が望む「真の理想空間」を美しく具現化出来るインテリアコーディネーターでいたいと思っています。

2009年に「BIID」世界最高峰のレベルを誇る英国インテリアデザイン協会の正会員を取得しました。日本の枠にとらわれず、世界の素晴らしいデザインに接して吸収し、情報や商材、商品を自分のフィルターを通して提供出来るデザイナーでありたいと思います。

また世界に目を向けることで日本の文化の洗練された魅力を見直すきっかけにもなりました。自国の文化を十分理解したうえで、それを単純に継承していくのではなく、世界のインテリア(洋)と日本のインテリア(和)との融合で、新しい形・独自のデザインでどう表現していくかが、今後の大きなテーマです。日本のものづくり、特に伝統工芸を新しい形で製品化しているメーカーや日本人プロダクトデザイナーの世界での活躍はとても気になります。また、同時に海外の素晴らしいデザインにも目を向けています。

海外視察中のスナップ

海外視察中のスナップ

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